古典的条件付け と オペラント条件付け
の違いってよく聞かれますよね。
でも、
なんとなーくわかったつもりだけど、実はモヤッとしている、
なんて人も多いんじゃないかと思います!
今回は、その違いを一目でわかるようにまとめてみました。
さっそくいってみましょう!
結論を図示
古典的条件付けとオペラント条件付けの違いを図にすると
下記のようになります。
古典的条件付けは、
反応の大きさはそのままに、その反応を引き起こすトリガーを新たに増やす手続きです。
オペラント条件付けは、
トリガーはそのままに、起こる反応の強度を強化する手続きです。
古典的条件付けとは
上の図を例を用いて説明します。
テッパンの例である、
旧ソ連の生理学者パブロフさんの実験で説明しましょう。
空腹の犬はエサを見ると唾液を出します。(よだれを垂らします。)
この犬に、メトロノームの音を聞かせてから、エサを見せます。
この手続きを何度も重ねていると(対提示)、やがて
メトロノームの音を聞いただけで唾液を出すようになります。
エサを見ること(無条件刺激/US)と、メトロノームの音(条件刺激/CS)が連合したわけですね。
この操作で、「唾液を出す」反応のトリガーとして、
「メトロノームの音を聞く」が増えたことになります。
ほかにも日常生活では、
- 昔やってたゲームのBGMを聞くとテンションが上がる
- 「坊主にくけりゃ袈裟まで憎」くなる
といった例もありますね。
オペラント条件付けとは
オペラント条件付けとは、
もともとあった反応の生起頻度が変わる条件付け
のことを言います。
こちらも例を用いて説明します。
有名なのはスキナーさんの実験です。
「レバーを押すとエサが出るようになっている箱(=スキナー箱)」の中にマウスを入れます。
マウスが偶然にレバーを押すと、エサが出てきます。
すると、マウスがレバーを押すまでの時間はどんどん短縮されていくのです。
これは、レバーを押した直後に提示されるエサが、「ご褒美」(=強化子)というフィードバックとなって、
レバーを押す行動の頻度が増したことによります。
この時に、もし、
レバーを押させる別のきっかけが増えていれば (「メトロノームの音を聞いたらレバーを押す」等)
トリガーが増えていると言えますが、
そういったことは起こりません。
オペラント条件付けのほかの例としては、
- 犬がエサのご褒美で曲芸を覚える
- 子供が褒められて伸びる
とかがありますね。
まとめ
以上の例を、初めの図に反映させてみましょう。
この図に反映させると、
このようになります。
左側の古典的条件付けでは、
反応の大きさ自体は変わっていませんが、メトロノームの音が新たなトリガーとして加わっています。
対して、右側のオペラント条件付けでは、
レバー押しを引き起こすトリガーは増えてはいませんが、レバー押しの反応が強化されています。
いかがでしたでしょうか。
何かあれば、コメント欄にてご指摘ください。
参考文献:
中島定彦・実森正子(2000)学習の心理―行動のメカニズムを探る (コンパクト新心理学ライブラリ)サイエンス社