「期待値」とはなんなのかを分かりやすく説明する記事。


統計の勉強をしていると「期待値」という言葉が「当然僕のこと知ってるよね??」という顔をして出てきます。
でも当然知らない人もいます。思い上がりも甚だしいですね。

この記事では、「期待値」という概念を分かりやすく説明したいと思います!

ズバリ期待値とは。

期待値とは、「その行動を無限にしたときに平均が段々近づいていく値」です。

よく期待値の説明で
「サイコロの目の期待値は3じゃない、3.5だ!」
なんて言われます。

それはすなわち、

「サイコロを7億回(ほぼ無限)なげつづけると、出た目の平均はほぼ3.5くらいになる(はず)」

ということです。

実際にやってみる

これから僕がサイコロを次々に投げます。そして、その都度そこまでの平均値を計算していきます。

10投目まではこんな感じ

この作業をずーーーっと続けます。

下のグラフはサイコロを1万回振ったときの平均値のグラフです(実際には振ってません。Excel使いました)。序盤は振れ幅が大きいですが、だんだんと3.5に落ち着いていっていますね。

つまり、サイコロの出る目の”期待値”はどうやら 3.5 近辺でありそうだ、ということになります。

ホントに3.5なの? 3.500001じゃないの?

と、思いますよね。3.5なんてぴったり行くことないじゃん。って。

一応、3.5になる根拠はあります。

サイコロは、1~6までの目が同じ確率で出ます。1~6までの平均を求めればいいんです。1~6の合計が21、サイコロは6面なので、21÷6=3.5です。だからサイコロの出る目の期待値は3.5なんです。

ところが、実際には、1000兆回やっても、それまでの平均が3.500000000000ぴったりで止まることはありません。(たまたま計算式がびったり合うことはあると思いますが、その次の試行でまた動きます)
1000兆回目は3.5000…1、「1000兆とんで1回目」は3.499999…みたいな感じで揺れ動くと思われます。

出る目によって確率が違うとき(宝くじ)

頭のよさそうな人がよく

「宝くじ買う人って期待値わかってないよねー。損するのに買ってるんだもん」

と言っています。聞いたことある人もいるのでは。

彼らは何を言いたいのかを説明します。

2019年の年末ジャンボの当選本数は以下の表のようになるようです。
1枚300円で買えます。
参考:宝くじ公式サイト

※宝くじの発行枚数は4億6000万枚

ここで、宝くじは、「7億」とか、「10万」とか、「0」とか、出る目の振れ幅がデカすぎるサイコロと例えられるわけですね。そして、出た目に従ってお金をもらえるわけです。このとき、「いくらくらいもらえると期待できるのか」が期待値と言えます。それを計算するため、宝くじをずーっと買い続けて平均を出してみましょう。さっきのサイコロみたいに。

この宝くじを全部買い占めたら、つまり、購入(サイコロ振り)を4億6000万回繰り返したら、当選金額はいくらになるでしょうか。

正解は68,767,700,000円です。687億6770万円ですね。

期待値はこれを発行枚数の4億6000万で割った値になります。

687億6770万円 ÷ 4億6000万 =149.5

つまり、宝くじの当選金額の期待値は149.5です。

ここまでの計算を下の表にまとめましたのでご覧ください。

今回は4億6000万回でしたが、もし宝くじを1000兆回に買い続けたら、いくら振れ幅の大きい年末ジャンボと言えど、当選金額の平均は149.5円に段々と近づいていくことになります。
(死ぬほど)長い目で見ると宝くじの当選金額は平均149.5円しか”期待”できないわけですね。
サイコロの例よりもお金の例の方が”期待”という言葉の意味がはっきりするのではないでしょうか。

頭よさげな人たちは、期待値の149.5円が購入金額の300円よりも安いから「宝くじを買うのは損だ!」と主張しているわけです。

300円払って149.5円分の価値のある宝くじを買っても損しているように思える、ということです。

まとめ

期待値とは、「その行動を無限にしたときに平均が段々近づいていく値」です。(2回目)
その意味をより分かっていただけたら幸いです。

できるだけ普段使いの言葉で、普段使いの例を用いて説明してみました。

では。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする